JIS Q 17021:2007(ISO/IEC 17021:2006)の概要

適合性評価−マネジメントシステムの審査及び
認証を行う機関に対する要求事項

Conformity assessment-Requirements for bodies providing audit
and certification of management systems

1.発行の経緯

 2006年9月15日にISO/IEC17021:2006として発行され、JIS Q 17021:2007として2007年7月20日にJIS化された。
 これは、マネジメントシステムの認証を行う審査機関に対する認定の新基準(要求事項)で、それまでの認定基準(ISO/IEC ガイド62、66及びそれらの関連文書)の代わりとなる。
新基準の発行に伴い、UKAS、JAB、ANAB、DANAK、JIPDEC、RvA・・・等の認定機関から認定を受けていた審査機関は、2008年9月14日までにISO/IEC 17021:2006に準拠したシステムに移行し、認定を終えている。


2.規格の意図と構成

 この規格は、従来の認定基準に対して大きく捉えると認証機関への公平性、透明性、機密保持、苦情対応に関する要求を強化している。この規格は“認証機関がこれらの要求事項を順守することによってマネジメントシステム認証を行う能力をもち、一貫して公平な方法で運用し、それによって国内及び国際的に認知され、認証の受入れが促進されることを確実にすること”を意図している。
 この規格は、すべての種類のマネジメントシステム(例えば、品質マネジメントシステム又は環境マネジメントシステム)の審査及び認証の能力、一貫性及び公平性に対する原則及び要求事項について次の構成で規定している。
項  目 規定内容
  序文  
1 適用範囲  
2 引用規格  
3 用語及び定義  
4 原則 一般、公平性、力量、責任、透明性、機密保持、苦情への適切な対応
5 一般要求事項 法的及び契約上の事項、公平性のマネジメント、債務及び財務
6 組織運営機構に対する要求事項 組織構造及びトップマネジメント、公平性委員会
7 資源に対する要求事項 経営層及び要員の力量、認証活動に関与する要員、個々の外部審査員及び技術専門家の起用、要員の記録、外部委託
8 情報に関する要求事項 公にアクセス可能な情報、認証文書、被認証組織の登録簿、認証の引用及びマークの使用、機密保持、認証機関とその依頼者との間の情報交換
9 プロセス要求事項 一般要求事項、初回審査及び認証、サーベイランス活動、再認証、特別審査、認証の一時停止・取消し・又は認証範囲の縮小、異議申立て、苦情、申請者及び依頼者に関する記録
10 認証機関に対するマネジメントシステム要求事項 マネジメントシステムに関する選択肢、選択肢1:JISQ9001に従ったマネジメントシステムの要求事項、選択肢2:マネジメントシステムに対する一般要求事項


3.被認証組織への影響

 従来の認定基準と比べて考え方が極端に変わるわけではないので、審査の技術的方法に影響はあまりないが、認証サービスを利用する被審査組織側から見た場合、3年ごとの更新審査の時期が影響を受けることがある。 これは、ISO/IEC 17021:2006の要求事項の一つに“認証機関は、再認証審査(更新審査)中に不適合が発見された場合、是正処置が認証の有効期限前に実施されるようその期限を定めなければならない”という規定が追加されたことによる。
 そのため認証を途切れることなく更新するためには、認証書の有効期限が来る前に更新審査を受け、是正処置を完了していなければならず、あらかじめ是正処置完了までの期間を考慮して、早めに更新審査を受審することが必要になってくる。
 なお、各審査における目的あるいは必須の評価事項が次の内容で示されているので、マネジメントシステムの運用、審査の事前準備に当って留意しておくとよい。
審査区分 評価事項
第一段階審査
a) 依頼者のマネジメントシステム文書の審査を行う。
b) 依頼者の所在地及び事業者固有の条件を評価し、第二段階審査の準備状況を判定するために依頼者の要員と協議する。
c) 規格の要求事項に関する依頼者の状況及び理解度を、特にマネジメントシステムの主要なパフォーマンス又は重要な側面、プロセス、目的及び運用の特定に関してレビューする。
d) 当該マネジメントシステムの適用範囲、プロセス及び依頼者の所在地、関連する法令及び規制にかかわる側面、並びに順守(例えば、依頼者の運用についての品質上、環境上及び法的側面、関連するリスクなど)に関して、必要な情報を収集する。
e) 第二段階審査のための資源の割当てをレビューし、第二段階審査の詳細について依頼者と合意する。
f) 想定される重大な側面に関連して、依頼者のマネジメントシステム及び事業所の運用について十分理解することによって、第二段階審査を計画するうえでの焦点を明確にする。
g) 内部監査及びマネジメントレビューが計画され実施されているかどうかについて評価し、また、マネジメントシステムの実施の程度が第二段階審査のための依頼者の準備が整っていることを実証するものであることを評価する。
第二段階審査2
a) 適用されるマネジメントシステム規格又はその他の規準文書の、すべての要求事項に対する適合についての情報及び証拠
b) 主要なパフォーマンスの目的及び目標(適用するマネジメントシステム規格又はその他の規準文書の主旨に整合した)に対するパフォーマンスの監視、測定、報告及びレビュー
c) 法的要求事項の順守に関しての、依頼者のマネジメントシステム及びパフォーマンス
d) 依頼者のプロセスの運用管理
e) 内部監査及びマネジメントレビュー
f) 依頼者の方針に関する経営者の責任
g) 規定要求事項、方針、パフォーマンスの目的及び目標(適用するマネジメントシステム規格又はその他の規準文書の主旨に整合した)、適用されるすべての法的要求事項、責任、要員の力量、運用、手順、パフォーマンスに関するデータ、及び内部監査の所見・結論の関連
サーベイランス審査
(維持審査)
a) 内部監査及びマネジメントレビュー
b) 前回審査で特定された不適合についてとられた処置のレビュー
c) 苦情の処理
d) 被認証組織の目的達成に関するマネジメントシステムの有効性
e) 継続的な運用管理
f) 変更があればそのレビュー
g) マークの使用及び/又は認証に関する引用
再認証審査
(更新審査)
a) 内部及び外部の変更に対するマネジメントシステム全体としての有効性、並びに認証の範囲に対するマネジメントシステムの継続的な関連性及び適用可能性
b) 全体のパフォーマンスを高めるために、マネジメントシステムの有効性及び改善を維持することに対するコミットメント
c) 認証されたマネジメントシステムの運用が、組織の方針及び目標の達成に寄与しているか。




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